無線従事者資格国家試験免除について


概要:

無線従事者は総務省所管の国家資格です .

電波・無線を扱う場合に必要とされる資格で,無線設備の操作範囲に応じて十数種類の資格があります.放送局,携帯電話・通信会社,航空・海運会社,官公庁(総務省,防衛省・自衛隊,国土交通省,警察,消防,県庁)などに多くの有資格者が勤務しており,無線設備の運用(操作)・維持管理にあたっています.また趣味など,個人的な無線技術の興味によって行う通信や技術研究のための「アマチュア無線局」を開設するためにも,無線従事者の資格が必要です.

 

無線従事者の種類:

20を超える種類があり,それぞれに無線設備の操作範囲が政令(電波法施行令)で定められています.

 大別すると「総合」「海上」「陸上」「航空」「アマチュア」に分類することができます.このうち,技術者が取得しておくと良い物は,以下のような物です.

・第一級,または第二級陸上無線技術士(放送局,電話・通信事業会社などで必要)

・第一級陸上特殊無線技士(電話・通信事業会社の業務,無線機・通信機器メーカーの実験設備,などで必要)

・第一級,または第二級海上特殊無線技士(電話・通信事業会社の業務,無線機・通信機器メーカーの実験設備,などで必要)

 

本学科で取得・試験が一部免除できる無線従事者資格:

 

(1)第一級陸上特殊無線技士(略称「一陸特」)第二級海上特殊無線技士(略称「二海特」)

電子情報工学科は総務大臣から科目認定校の指定を受けており,一陸特二海特は,所定科目の単位が取れていて卒業できれば,国家試験合格と同様の扱いとなり,書類申請のみで無線従事者免許証が交付されます.従って就職活動の際に4年科目以外の所定科目の単位が取れていて,メディア機器,通信法規の履修登録をしていれば,「卒業見込み=資格取得見込み」ということになります.履歴書の資格欄に「第一級陸上特殊無線技士取得見込み」と記入しても良いでしょう.

 

TL11以降の学生は必要科目が一部変更になっています.来年度から専門科目の「電気計測」が廃止,「電子計測」は「センサーと計測」に名称変更されます.この関係で上記必要科目のうち「電計計測」は削除,「電子計測」は「センサーと計測」に読み替えて下さい.

         (無線従事者免許の申請)

卒業後に工学部事務室で必要書類を受け取り,住所地を管轄する総合通信局へ申請してください.九州(沖縄を除く)の場合は,熊本にある総務省九州総合通信局に申請します.こちらのページから申請書類を無料でD/Lできます.書き方のサンプルも載っています.添付書類として,卒業証明書,科目履修証明書が必要です.工学部事務室で発行してもらって下さい.このほか,氏名生年月日を証明するための書類(住民票など)が必要ですが,アマチュア無線技士など他の無線従事者資格や工事担任者,電気通信主任技術者の資格を持っている場合は不要です.詳しくは上記総務省のWEBからD/Lできる説明資料(PDF)を参照して下さい.

 

(2)第一級陸上無線技術士(略称「一陸技」)は,下の表の条件を満たす単位を取得して卒業すれば,国家試験4科目中「無線工学の基礎」が免除になります.従って一陸技の国家試験の受験申請をし,3科目(無線工学A,B,法規)を合格しないといけません.

放送局・電話会社・官公庁技官などの技術系就職に有利な資格です.しかし在学中は科目免除が効かないので,就活を目的に在学中にこの資格を取るのなら,結局4科目の受験が必要です.とはいえ,就職後に勤務先で必要となり,この資格を取るように言われることもありますし,転職などのために資格にチャレンジするときには,免除があるに越したことはありません.また,これらの科目は国家試験の出題内容に関連の深い科目もあります.ハードルは決して高くないので,下表の条件はクリヤしておきましょう.なお,入学年次とコースによってはこの条件が満たせない場合があります.たとえばTL11以降の情報システムコースでは電子工学実験Aが取れないため,電気磁気測定関連科目の時間数を満たすことができません.

 

 

 

 

 

 

No. 1

認定基準に規定する科目

卒業者が履修する科目並びに時間数及び単位

備   考

自然科学系科目

微分積分T

(2) <30>

 

 

微分積分U

(2) <30>

 

 

力学 A

(2) <30>

下記参照

 

力学 B

(2) <30>

 

 

統  計

(2) <30>

 

 

 

 

行列と行列式T

(2) <30>

 

 

 

 

行列と行列式U

(2) <30>

自然科学系及び左記

 

 

微分積分V

(2) <30>

のうちから210時間

数    学

微分積分W

(2) <30>

以上履修すること

 

関数論  

(2) <30>

 

 

 

電子通信系のための数学

(2) <30>

 

 

   物    理

力学C

(2) <30>

自然科学系及び左記

物理学A

(2) <30>

のうちから105時間

物理学D

(2) <30>

以上履修すること

物理学実験

(2) <60>

 

 

 

電磁波理論

(2) <30>

左記の全科目を履修

 

  ※電気磁気学

電波応用

(2) <30>

すること

 

 

 

電気磁気学T

(2) <30>

 

 

 

 

電気磁気学U

(2) <30>

 

 

 

 

アナログ回路T

(2) <30>

 

 

 

 

アナログ回路U

(2) <30>

     

 

 

半導体及び電子管

電子回路基礎

(2) <30>

左記のうちから90時間

 

並びに電子回路の

ディジタル電子回路

(2) <30>

以上履修すること

 

基礎

半導体工学

(2) <30>

 

 

 

 

半導体デバイス

(2) <30>

 

 

 

 

電子回路素子

(2) <30>

 

 

 

 

電気回路基礎T

(2) <30>

     

 

 

 

電気回路基礎U

(2) <30>

左記のうちから120

 

電気回路

回路網理論

(2) <30>

時間以上履修すること

 

 

回路応答解析

(2) <30>

 

 

 

 

電子情報基礎演習(TL11以降)

電気回路演習(TL10以前)

(1)<30>(TL10以降)

(2)<60>(TL09以前)

 

 

 

 

電子情報工学実験A

(1) <60>

 

左記のうちから180

 

※電気磁気測定  

電子情報工学実験B

(1) <60>

時間以上履修すること

 

 

電子工学実験A

(1) <60>

 

 

 

 

センサーと計測(TL11以降)

電子計測(TL10以前)

(2) <30>

 

 

 

 

電気計測TL10以前のみ)

(2) <30>

 

 

 

 

 

詳細は工学部事務室教務係で確認のこと

 

この情報に関する問い合わせ:

福岡大学 工学部 電子情報工学科

太郎丸


04-Apr-2011  by Taromaru/JH6VJM